コラム

2016/11/10

土砂災害について(山梨・TH)

土砂災害について


▼山梨県の旧足和田村(現・富士河口湖町)で発生した土石流により、多くの人が死亡および行方不明になった足和田災害。50年が経過したことし、富士河口湖町で災害の記憶と復興の歩みを伝える石碑の除幕式が行われた


▼足和田災害は、1966年9月25日に発生。台風26号が直撃し、大雨で川にたまっていた土砂が一気に押し流される形で土石流に。根場と西湖の両地区が被害に遭った。午前1時過ぎの就寝中に発生し、死者・行方不明者94人、全半壊90戸。夜が明けると、集落は土砂で埋まり、抱えきれないほどの太い木が流され、至る所に散乱していたという


▼最近では広島市で発生した広島土砂災害が記憶に新しい。安佐北と安佐南地区が被害に遭い、足和田災害と同じように、住宅地の後ろにある山が崩れ、同時多発的に大規模な土石流が発生した。両区の被災地域での死者は74人、重軽傷者は44人に上った。国土交通省の発表によると、土砂災害による人的被害としては過去30年で最多となった


▼広島の被害が大きくなった主な要因は地質や気象、無理な宅地開発だろう。しかし砂防ダム整備が計画されながら1基も完成していなかったこと、多数の古墳や遺跡がありダム整備が遅れてしまったことが可能性として指摘された


▼足和田災害の跡地は、茅葺き屋根の住宅を再現した「西湖いやしの里根場」という観光拠点に生まれ変わった。砂防資料館もあり、災害に関する資料が展示されている。砂防の大切さを学び、災害に関する知識を深めることができる。安全な避難ルートや場所を把握するなど、日ごろの備えが大切と感じた。(山梨・TH)


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