コラム

2016/11/11

県北のエリアに活力を(茨城・KM)

県北のエリアに活力を


▼今から25年前、茨城県の県北の街に青い傘が立ち並んだ。「クリスト・アンブレラ・プロジェクト」として、常陸太田市と当時の里美村(現在は常陸太田市と合併)に1340本の巨大な青い傘が建てられたのだ。このプロジェクトは日米同時開催のイベントで、アメリカのカリフォルニア州では、1760本の黄色い傘が並んだ


▼当時は小学生だったため、家の前の道がずっと渋滞していたことや東京に住んでいる従兄弟が遊びに来てうれしかったこと、雨だと逆に傘が閉じてしまうことを不思議に感じたことなどをおぼろげながら覚えている。約1カ月で50万人を動員したそうだ


▼あの熱気が、今茨城県の県北地区に再び訪れている。日立市、高萩市、北茨城市、常陸太田市、常陸大宮市、大子町を会場に開催されている「茨城県北芸術祭」だ。自然と対話するアート、科学・技術を利用した先進的なアートに焦点を当て多分野の人々と共同で作品を作り出すアートハッカソン、地域の人々のコラボレーションなど地域に根差した創作活動が展開されている


▼つくばエクスプレスの開業や圏央道の開通などにより、茨城県は南側のエリアが活況を呈している。特につくばエクスプレス沿線は住宅が立ち並び、人口が増加。教室数が足りず学校が新設されている。一方、北側は人口減少が止まらず、児童・生徒数の減少から学校の統廃合が相次いでいる


▼茨城県北芸術祭は目標より速いペースで動員が進んでおり、周辺の飲食店も観光客でにぎわっている。この熱気を地域の活力につなげ、県北地区が元気を取り戻してくれることを願う。(茨城・KM)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら