コラム

2016/11/19

企業の意外な一面(群馬・SS)

企業の意外な一面


▼JR九州が10月25日、東証一部に上場した。本州以外のJR旅客3社としては初めての上場。初値は3100円を付け、公募価格の2600円を2割近く上回った。投資家からの期待感はまずまずといったところだろうか


▼JRというからには鉄道事業が中心で、さぞ安定した利益を上げているかのようなイメージを抱くが、実は鉄道事業は一度も黒字になっていない。同社の利益を支えているのは主に不動産事業。駅ビルや分譲マンション販売が中心で、今後は賃貸業のシェアも伸ばしていきたいという。JRブランドに隠れがちだが事業を多角化し、民間企業としてしたたかに利益を追い求めている


▼少し前、スマートフォンゲームアプリ「ポケモンGO」が発表された際、株価が高騰したのが任天堂。ファミコンやニンテンドー3DSなど家庭用ゲーム機のイメージが強いが、もともとは花札製造から始まった会社だ。オリジナルキャラクターをあしらったものを含め、今も製造・販売している


▼一般の人に「○○建設は何をしている会社なの?」と聞けば、建物や道路を造っているとの答えが返ってくるだろう。それはそれで間違いない事実なのだが、特に山間部の建設業は除雪という大きな役割も担っている


▼冬の間だけ見せる特別な顔にも見えるが、実は夏の暑い時期からその年の冬に備え、各地区の建設業者と行政が、効率的で効果的な除雪方法の検討を進めている。間もなく降雪シーズンを迎える。安全で快適な交通環境が確保されている裏に、企業の意外な一面が積み重なっているということを、いま一度声を大にして言いたい。(群馬・SS)


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