コラム

2016/11/22

映画も知的習慣に(山梨・HK)

映画も知的習慣に


▼久しぶりに映画館へ足を運んだ。その昔、わが街松本の映画館は両手に余るほど林立していたと記憶している。しかし今は8つのスクリーンを擁した長野県内最大級のシネマコンプレックスが唯一の映画館となってしまった。「かれこれ何年ぶりであろうか」と考えたが、1年前であったような気もするし、5年程度の歳月が流れているとも感じる。要は思い出せないのである


▼お題は今や飛ぶ鳥を落とす勢いの『君の名は。』である。公開前から「上々の出来」との評価もあったようで、興行収入はうなぎ上り。多くの読者もスクリーンに見入ったことと思われる


▼数日後には「こんな物もある」と知人に単行本を薦められた。主人公以外の登場人物の目から本編の裏話をつづった小説で、スピンオフ(外伝作品)ともいうべき代物。ストーリーを違った角度から眺められ、映画を一度見ただけではよく分からなかった箇所にうなずくこともしばしば


▼年齢とともに物覚えが悪くなり、記憶が曖昧になるのは避けられない。認知症の予防には野菜や果物、青魚などを摂取する食習慣、適度な有酸素運動と並び知的習慣も良いとされている。文章を書いたり読んだりゲームをしたりするほか、あるサイトでは博物館鑑賞を例として挙げていた


▼単純に楽しめば良いともいえるが、監督が映画を通じて伝えたいメッセージは、鑑賞した者として受け取ることも一つの筋。それが読めない、つかめないのであれば、繰り返しの映画館通いも必要か。これも一つの知的習慣と自分を言いくるめ、理解に至らない穴を埋めに再び映画館へ出掛けるとしよう。(山梨・HK)


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