コラム

2016/12/07

適正価格の大切さ(茨城・KN)

適正価格の大切さ


▼25年ぶりのリーグ優勝を果たした広島東洋カープ。人気が爆発 し、試合のチケットは入手困難となった。特にクライマックスシリーズは発売開始直後10分で完売してしまい、チケットを買えずに涙を飲んだ。同じ思いをしたファンはきっと多いだろう


▼チケットが自分の手に入らなくても、熱心なファンの手に渡るであれば諦めもつくが、釈然としないのはいわゆる転売屋の存在。インターネットのオークションサイトには定価よりはるかに高額な値段でチケットが出品されている。需要があるからこその値段高騰だが、個人的には転売チケットを買うことはしない


▼決してお金が惜しいというわけではないが、あまりにも高いと抵抗はある。高額であっても支払った代金が主催者側の利益になるのならば良い。ファン冥利に尽きるというものだ。しかし転売によって高騰した代金は大半が転売屋の懐に入り、汗を流して努力した人の利益が増えるわけではない


▼一方で安すぎる価格も問題だ。買う側にとっては良いことのように思えるが、適正価格より安いということはどこかに必ずひずみが生まれる。これは公共事業についても同じことが言えるだろう。国民の税金だから大事に使いたいというのは分かる。しかし、適正価格を大きく下回るような受注を続ければどうなるか。品質の低下や優れた技術を持った建設業従事者の破綻へとつながる。これは社会にとって大きな損失だ


▼目先の損得ではなく、長い目で見た場合、適正な価格での契約こそが本当の利益になる。何よりも、汗を流して頑張った人が正当に報われなければならない。(茨城・KN)


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