コラム

2016/12/16

震災の記憶を受け継ぐ(埼玉・HK)

震災の記憶を受け継ぐ


▼11月22日午前6時ごろ、福島県沖を震源とする最大震度5弱の地震が発生。震源地から遠い場所にも関わらず、揺れの挙動と長さに目を覚まし、東日本大震災を思い起こした。さらに津波発生、福島第2原子力発電所3号機燃料プール冷却停止などの情報が飛び交い、大震災の再来になりはしないかと肝を冷やした


▼マグニチュードは7・4と推定され、阪神・淡路大震災と熊本地震を上回った。津波は仙台港で観測された140cmが最高。電車など公共交通機関の遅延・運転見合わせ、休校、店舗の営業休止などの影響が生じ,火災に見舞われた施設もあった。人的被害としては複数の負傷者が出たものの、死者がなかったのが不幸中の幸い


▼地震発生直後、青森・岩手・宮城・福島各県の一部自治体に避難指示が出されたほか、テレビやラジオなどで繰り返し避難が呼び掛けられた。それら以上に、おのおのが大震災の経験を生かし、日ごろから自然災害へ備え、早期に避難を開始したことが被害を抑制できた要因となったのではないか


▼東北地方には過去、何度も地震に起因する大津波が押し寄せている。死者・行方不明者は1896年の明治三陸地震で約2万2000人、1933年の昭和三陸地震で約3000人、そして先の大震災で約1万8000人。地震や津波が起こらないと考える方が不自然なのかもしれない


▼大震災の後「がんばろう日本(東北)」という言葉をよく耳にした。被災・復興に際してのみならず、災害への畏怖や日ごろの備えを促す象徴として、当時の記憶とともに後世に受け継いでほしい。(埼玉・HK)


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