コラム

2017/01/13

点検で新たな仕事の在り方(新潟・HT)

点検で新たな仕事の在り方


▼中央自動車道笹子トンネルの天井板落下事故を受けた道路法改正により道路、トンネル、橋梁などの近接点検が義務付けられたが、老朽化するインフラと同様にそれを点検管理する技術者不足も大きな問題だ。行政職員、民間企業ともに技術者数は、地方部や山間部にいくほど管理対象数に反比例して足りていない


▼点検技術者の確保に向け新潟県内では、産学官が連携して技術者を育成するME(メンテナンス・エキスパート)養成講座が立ち上がった。これまでに第3期まで講座が開かれ、100人を超える技術者を輩出している


▼ME養成講座を受講した地元建設会社の専務は、点検に建設業の新たな仕事の在り方を期待する。同社では早くから女性技術者の採用を進めており、インフラ点検を継続雇用の場として視野に入れている


▼「彼女たちが現在のように仕事への時間が取れなくなったとき、少しの時間でも道路や橋梁などを点検してもらう。それが仕事として確立されれば、空いた時間での仕事も可能。常に業界に関わることで再び現場にも戻ってきやすい」と話す。人材確保と技術者不足を一度に解決し、さらに地域の安全安心にもつながる仕組みに「会社や地域にとっても良い」と語った


▼厚生労働省によると大卒、高卒者の建設業での3年以内離職率は4割を超える。快適トイレや4週8休、総合評価方式での加点など人材確保への取り組みが進められているが、入職対策とともに女性や若手に限らず、いま業界で働いている誰もが、今後も仕事を続けていけるような取り組みや仕事の在り方も一緒に考えていかなければならない。(新潟・HT)


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