コラム

2017/01/19

日本画カードが復活(山梨S・A)

日本画カードが復活


▼東海道五十三次のカード封入が復活した。このカードは、食品メーカーの永谷園が販売しているお茶漬け海苔に封入されていたおまけのこと。懐かしいと感じる人も少なくないのでは。復活したとの一報を聞きつけ、急いでコンビニで買い求めると「復活」と書かれた包装紙を見て思わず感激した


▼このお茶漬け海苔は1952年から販売を開始した歴史ある食品。鮭や梅を加えた定番の味として親しまれるベストセラーだ


▼カードを入れることになったのは、商品の検査確認を終えたことを示す検印紙がきっかけ。検印紙の裏面を使って歌川広重の東海道五十三次を印刷したのが始まりだという。その後、歌麿の美人画や北斎の富嶽三十六景、写楽の役者絵といった日本画のほか、ルノワール、ゴッホなどの海外有名画家のシリーズに発展し、1997年に企画が終了した。どんな絵が出てくるかわからないドキドキ感がたまらなく、楽しかった


▼3年後に迫った2020年東京オリンピック・パラリンピック開催や富士山などの世界文化遺産登録を契機に、日本人がこれまで代々受け継いできた文化が海外などから再評価されている。美しく優れた日本の伝統文化を身近なものとして実感してもらいたいとの考えから、永谷園はお茶漬け海苔のカード封入を復活させた。もちろん顧客からの復活要望も大きかったようだ


▼さて、冒頭、急いで買い求めたおまけのカードは「嶋田・大井川駿岸(すんがん)」の絵柄だった。日本画の繊細さから、世界に通用する日本人最大の長所を感じる。もしカードの存在に懐かしさを感じたのであれば、お茶漬けを味わってみては。(山梨S・A)


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