コラム

2017/02/02

落語のマクラで円滑に(群馬・TH)

落語のマクラで円滑に


▼この仕事に就いてから、車を運転をする機会が増えた。運転中はラジオか音楽を流していた。電波の悪い山間部を走る際は、放送にノイズが入りストレスになる。音楽もずっと聞いていると疲れてくる。そこで最近は落語を聞いている


▼落語はマクラと本編、そしてオチの3つの要素から成り立っている。マクラとは本編のイントロダクションのような存在で、関連する小話から入ることが多い。例えば大工の登場する話ならば、現代の建設業界の時事ネタを盛り込むなどして聞き手が円滑に本編に入れるようにする


▼落語には現代では使わなくなった言葉や職業が登場することも多いので、マクラの部分で解説することもある。噺家(はなしか)もこのマクラの部分で観客の反応を探り、本編の演じ方を考えるという。マクラは本編とは違い、噺家によって全く内容が異なる落語の醍醐味の一つだ


▼マクラは落語だけでなく、日常会話にも存在している。単刀直入に本題に入る命令口調などを除き、大抵は前置きから入るものだ。取材の際も、あいさつをしてすぐに聞きたい内容を聞くのではなく「今日はいいお天気ですね」や「先日のお話、大変好評でしたよ」など、取材本題の前には必ずマクラが入れる。このマクラを上手に活用して、人間関係を円滑に進めることができれば、質の高い取材、ひいては良い記事につながるはず


▼このコラムも最初の運転に関する部分がマクラとなっており、このマクラを利用した取材が上手くなりたい、という部分が本編だ。そして、そろそろ気持ちの良いオチをつけたいところだが、まだまだ修行が足りないようだ。(群馬・TH)


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