コラム

2017/02/07

リケジョと夢を追う(長野・JI)

リケジョと夢を追う


▼理科が苦手な中学生の息子のために、物理学や生物学の入門書を買った。分かりやすい説明と可愛いイラストが特徴で、大人が読んでも楽しめる。しかし当の息子は最初こそ読んでいたものの、すっかり興味を失ってしまったようだ。誰も読まなくなった本。それを見逃さないのが6歳の娘


▼本を自分の本棚に並べ、暇があれば眺めている。物理学と書かれた本を小さな子どもが読んでいる姿は奇妙ではあるが、彼女には合っているのだろう、今や愛読書だ。もともと図鑑好きの娘は完全に理系女子、いわゆる「リケジョ」。将来の夢は科学者で、ノーベル賞も取るつもりらしい。少し前まで目標はアイドルだったのだが


▼土木分野で働く女性を「ドボジョ」と言っていたのも少し前だった。名前はさておき、女性が活躍する時代。取材先でも、さまざまな場面で女性の姿が見られる。作業着であっても着飾っていても、生き生きとしているのが印象的だ


▼建設現場での女性活躍に向け、女性専用トイレを設置するケースも増えている。働きやすい職場環境のため置かれるものだ。女性からの要望に応えていることは素晴らしい。しかし「活躍」という言葉からは、まだ離れているようにも感じる。ほかの方法はないだろうかと考えてみるものの、性差を考慮しつつ男女平等の施策というのも難題だ


▼娘から物理学の入門書を手渡された。「お父さんもノーベル賞を取ってね」と激励してくれる。息子と同じく理科は嫌いだが、まずは本を読むことから始めよう。近い将来、世界がひっくり返るような事実を発見するかもしれないではないか。(長野・JI)


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