コラム

2017/03/31

大きなものを造る技術力(茨城・TI)

大きなものを造る技術力


▼大きなものを見ると、思わず見とれてしまうことがある。標高3776・12mの富士山はもちろん、奈良の大仏や茨城の牛久大仏など。東京行きの電車に乗れば、車窓からは東京スカイツリーが見える。自宅近くのケーズデンキスタジアム水戸は、遠くからでも確認することができ、やはり大きなものだと実感する。人一人からすれば、建築物はたいてい大きなものだ


▼建築様式の古い新しいにかかわらず、昔からまちの通りを歩いていると、銀行の出入り口を支える太い柱や、商店街を飾るアーチに感心していた。ほんの少しでもずれれば建たないと思うと、精巧に造られた建物を見るたび、その技術力の高さに感心しながら楽しんでいた。それが高層ビルや電波塔など、巨大であればあるほど、建てる難しさや危険性は高くなるはずだ


▼先日、群馬県で建設の進む八ッ場ダムの現場見学会に参加した。コンクリート打設工事が行われる現場には、見上げるほどの重機が並び、ドローンも飛んでいた。コンクリート製造設備が併設され、クレーンによって運ばれていた。24時間体制で動くダムサイトは、まさしく大きな現場だった


▼紆余曲折の末、着工となった八ッ場ダムは、2019年度完成を目指し工事が進む。事業費5300億円超と規模が大きいこともあり、簡単にいかないのも納得だ。むしろ大きいからこそ慎重を期すべきだ。そして注目されるからこそ世界に誇る技術力を発揮してほしい


▼大きなものを見て感じることは人それぞれだと思う。それでもビルやダムなど、大きな建物を見たときには、誰かが造ったものだと感じてほしい。(茨城・TI)


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