コラム

2017/03/17

ストック効果に期待(茨城・EM)

ストック効果に期待


▼圏央道境古河IC(茨城県境町)~つくば中央IC(茨城県つくば市)が2月26日に開通した。これにより圏央道の茨城県内区間は全線が供用。東名高速、中央道、関越道、東北道、常磐道、東関東道の6つの放射状高速道路が圏央道で結ばれた


▼かねてより社会資本整備には公共投資の事業自体が生産、雇用、消費などの経済活動を派生的に創出し、短期的に経済全体を拡大する、いわゆる「フロー効果」の側面が注目されてきた。ことし1月、第45代アメリカ合衆国大統領に就任したドナルド・トランプ氏が、公共事業により雇用創出を図る考えを示したことは記憶に新しい


▼また近年は、社会資本整備のもう一つの効果である「ストック効果」を重視し予算を分配する動きがある。ストック効果とは、整備された社会資本が機能することによって、整備直後から継続して中長期にわたり得られる効果を指す。圏央道は既存の放射状高速道路を接続する環状道路であり、多大なストック効果が期待されている


▼今回の開通により、成田空港から関東各地の観光地への交通アクセスが向上。都心経由以外のルート選択が可能となり、渋滞や通行止めも回避しやすくなった。また、約1600件に上る沿線の大型物流施設では生産性の向上が図られ、IC周辺を中心として企業立地の促進にも期待がかかる


▼開通区間は当初、2015年度内の完成を予定していたが、ルートの一部で軟弱地盤に起因する予測以上の盛土沈下が発生。この対策により1年遅れでの供用となった。待ち焦がれた月日の数だけ期待は膨らんだ。新たな道の効果やいかに。(茨城・EM)


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