コラム

2017/03/18

ユキヒョウを迎える(山梨・TH)

ユキヒョウを迎える


▼3月6日に名古屋市の東山動物園から甲府市の遊亀公園付属動物園がユキヒョウを迎えた。冬季に体毛が長くなり模様が美しく映えるユキヒョウは、絶滅危惧種に指定。国内10園で21頭しか展示されていない(2016年12月調査時点)


▼搬入時期は当初、昨年12月12日に予定していたが、搬入元の東山動物園で鳥インフルエンザが発生して延期になり、再調整を行っていた。2月の定例会見で甲府市長は「残念ながら市民へのクリスマスプレゼントあるいはお年玉には間に合わなかった。春休みには間に合う」と期待を込めた


▼ユキヒョウを迎える遊亀公園付属動物園は、施設の老朽が進んでいるため再整備を計画している。同園は、市のほぼ中心にある都市型の動物園。住宅地に近いため、市側と周辺住民は慎重に話し合いを進める。昨年2月に整備計画を策定し、土地利用については、動物園を約1・5倍の2haに拡張するが、公園は3分の2の0・8haに、池は5分の1に縮小する方向性を示した。また動物園と公園を融合させ、景観、子育て世代や高齢者に配慮した整備を行うとした


▼ところが周辺住民からは「動物園整備に42億円掛かると聞いた。高齢化で人口が減少する中、後世に借金を残すべき事業なのか」と訴え、反対する人も多い。市側は、子育て世代と地元住民の意見を聞くワークショップを新年度に開催し、研究機関と動物の展示手法を協議する


▼再整備をする前にユキヒョウを迎えることになってしまったが、新しい動物園には、どのような動物を展示するのかを早期に決定し、動物の生態を学ぶところから始めるべきだ。(山梨・TH)


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