コラム

2017/03/28

取材先で笑顔に出会いたい(茨城・TT)

取材先で笑顔に出会いたい


▼戦国武将の織田信長とゆかりのある岐阜市について紹介する雑誌「岐阜信長歴史読本」を大手出版社KADOKAWAが1月に出版したが、内容に多数の誤りがあり、ワイドショーなどをにぎわせた。編集に協力した岐阜市の担当者は出版を楽しみにしていたらしいが「これほど多くの間違いがあるのは遺憾」と心情を吐露し、落胆ぶりを隠せない


▼インターネット通販サイトのAmazonには「赤ペンを持ってひたすら読み、誤字脱字間違いを必死で探した。送られた正誤表は正しいのでしょうね」「岐阜にも信長にも興味がなかったが、誤字の内容が知りたくて購入した」など、購入者からの評価が紹介されている


▼記事を書くためには取材先の協力は欠かせないが、その先には楽しみに待っている読者がいる。取材先は読者でもある。一つの間違いによって出来上がったものが取材先からも読者からも喜ばれず、落胆させたり、場合によっては怒りを買ったりしては、すべてが台無しになってしまう


▼末席ながら文章で何かを伝えるという点では同じ境遇であり、紙に残された活字の重さを感じずにはいられない。それでは喜ばれる記事を書くためにはどうすればいいのか―。間違いがないのはもちろんのことだが、ニュースのポイントを押さえ、分かりやすい文章で書くこと


▼まさに言うは易(やす)く行うは難(かた)しとはこのことで、取材力も文章力もないのであれば、せめて誠実さを忘れずに取材し、読者と取材先を頭の中で思い浮かべながら書くことにしよう。喜ばれる記事への道のりはまだまだ遠い。日々精進して本当の笑顔に接したい。(茨城・TT)


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