コラム

2017/04/05

宇宙マーケットに活路(群馬・TF)

宇宙マーケットに活路


▼アラブ首長国連邦(UAE)は、100年後の2117年までに人類が居住可能な小都市を火星に建設するプロジェクトを発表した。マクトム首長はプロジェクトの作業過程で得られた交通手段やエネルギー、食料確保の研究結果は人類の生活の質の向上に役立つと意気込む


▼火星は太陽の周りを687日で一周し、地球に最接近するのは約15年に一度。次は18年で、5759万㎞まで近づく。ロシアはこのタイミングに向けて熱核エンジンのテストをしており、成功すれば理論上6週間で火星に到達できるという。NASAは33年までに火星への有人飛行に向けて輸送技術や宇宙空間での活動を支える技術、生命維持に関する開発に取り組んでいる


▼火星に小都市を建設する際、国土交通省が進めるi-ConstructionのIoT・人工知能(AI)といった革新的技術の現場導入や3次元データの活用は非常に重要となるのではないか


▼日本の宇宙開発技術は予算が少なく実績に乏しいことなどから遅れていると言われている。研究開発に重きが置かれビジネスという観点ではなかったのも理由の一つだが、技術力は世界でもトップクラス


▼火星は平均気温マイナス43度、時期によっては時速400㎞の強い風が吹き、大気は二酸化炭素が95%を占める。厳しい気象条件に耐え得る建物やインフラ施設などはぜひとも日本の技術を採用してほしい。近い将来、建設業界の技術力は宇宙開発において需要が高まるかもしれない。火星人を作業員として現地で採用することも視野に入れると、通訳は何語で話せば良いのだろうか。(群馬・TF)


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