コラム

2017/04/21

空き家を減らすために(山梨・TH)

空き家を減らすために


▼ここ数年、頻繁に取り上げられるようになった空き家問題。街中でも空き家と思わしき住宅を見かけることが増えた。それもそのはず、山梨県は都道府県別の空き家率ランキングで全国1位なのだから。そんな中、県内自治体も重い腰を上げた


▼甲府市は空き家対策協議会を立ち上げ、4月から「空き家対策課」を設置した。行政では対応できない専門的なものは、各団体指定の地域の建設団体や土地家屋調査士会、行政書士会など5団体が連絡窓口となる。個別対応は、建築基準法にかかる手続きを担当する建築士会のほか、融資や金融は銀行協会が担当する


▼行政側は「空き家の活用は、相続の関係、土地の境界関係があると思う。行政の立場では解決に導いていけないケースが予想される」と話し、団体の力を借り、専門的な立場からのアドバイスを求めたい考え


▼また2015年5月に空家等対策の推進に関する特別措置法(空き家特措法)が成立。解体の通告や強制対処が可能になり、固定資産税の特例対象から除外された。一方で人口は減少傾向にあるのに、毎年多くの新築住宅の建設が進む。住宅メーカーに勤める友人に話を聞いた。「消費者は新築住宅を好む。空き家を改修しても自治体の補助では全然足りない。新築に近い費用を出すなら、中古より当然、新築住宅になる」という


▼急速に核家族化が進み、年老いた両親が子どもと離れて暮らす世帯が当たり前という時代。空き家を減らすために何をすべきか。まず国が率先して中古住宅市場整備へと政策をシフトし、住宅自体を社会の資源として再活用することも必要だろう。(山梨・TH)


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