コラム

2017/05/31

徐々に環境改善(長野・SK)

徐々に環境改善


▼長野県では、建設業の環境改善を検討する官民組織「地域を支える建設業」を定期開催している。組織設立から8年。参加者の社長は「十分ではないが、ようやく利益を得られるようになってきた」と話す。その言葉にホッとする


▼「公共事業=無駄」は今もそこかしこで聞く言葉。しかしハコモノについて言えば、使いこなしていない人間側に問題がある場合がほとんどで、不要な公共事業などあるはずもない。不況と誤解の煽(あお)りで2000年以降多くの人材を失った事は痛い。風評は一瞬にしてすべてを滅ぼすが、再構築には長い歳月がかかるものだ


▼一般の人は、道路は快適走行が当たり前。通勤通学の時間帯には除雪済み。災害時は助けに来るのは当然。当たり前の生活を支える建設業が今、厳しい環境にあると理解しているだろうか。知人の主婦は「除雪が来ないから役場に文句言った」とプンプンしていたが


▼地域の建設業は、人手不足で早朝から勤務。帰宅して間もなく除雪の依頼で朝まで作業し、その足で通常勤務に。寝る間もない日々を送るという。道路や電気、水道が止まれば直すのは誰か。建設業を理解すれば「プンプン」なんてできないが、今の時代に「まさかあり得ない」と危機感が無い。困るのは自身なのに


▼県は造るから維持管理に転換し長寿命化を図るが、修繕にはより高い技術力が必要。一人前の技術者が育つには10年かかる。現状は少子高齢化もあり、女性も珍しくない。ある大学教授が「現代の子どもは外で身体を動かすより、家でのゲーム遊びが多いため、デスク仕事を選ぶ傾向にある」と話していたことを思い出す。(長野・SK)


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