コラム

2017/05/23

「命を守る」を忘れずに(茨城・HS)

「命を守る」を忘れずに


▼熊本地震の発生から1年が経過した。震度7を2回観測した大地震は、225人もの尊い命を奪った。未曾有の被害をもたらした東日本大震災からわずか5年後のこと。あらためてこの国が地震大国であることを痛感した。幸いなことに、18万人にも上った避難者は昨年の内にゼロとなった


▼熊本地震で特に被害を受けたのが、加藤清正公の築城で知られる熊本城。武者返しで有名な石垣が崩落し、無残な姿が連日のように報道されたのはまだ記憶に新しい。城内の13の重要文化財と20の復元建造物の全てが被害を受けた


▼文化庁の試算によると、石垣の修復費用だけで約354億円。全体の復旧には20年かかる見込みで、大西一史熊本市長は「まずは3年での天守閣修復」を目標に掲げた


▼熊本城は日本百名城の一つでもある。いつかは百名城全てを巡りたいと夢見ている身としては、ますます熊本へ行ってみたいという思いが強くなった。まだ東日本ばかりの1割ほどしか訪れたことがないが、観光はわずかながらでも間接的な支援につながる。意を決して大型連休にまとめて行くのもよいかもしれない


▼近年、自然災害は威力を増す一方。各自治体は、国の指導の下、国土強靱化地域計画の策定を急いでいる。人命第一の思想に異論を挟む余地はない。行政はスピード感を持って防災・減災の取り組みを推進するべきだ。「コンクリートから人へ」も今は昔。公共事業に携わる人には、国民の命を守っているという意識を常に忘れずにいてほしい。不正も手抜きも一切せず、ひたすら真っすぐに自分の仕事をしていれば、自然と尊敬を集めるようになるはずだ。(茨城・HS)


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