コラム

2017/05/24

外にいるからこそ(埼玉・KK)

外にいるからこそ


▼昨秋、建設専門紙の記者に転職した。前職で記者経験は多少あったものの、恥ずかしながら建設業の知識はゼロからのスタート。用語や制度といった初歩的なことから勉強する日々を送っている


▼高校時代のことを先日ふと思い出した。剣道部に所属し汗を流していたころのことだ。けがが非常に多く、3年間で肘、膝、腰などを次々故障。最後の大会が終わるまでの稽古量は、同期の半分程度だったと感じている。少ない稽古では実力も伸びず、悔しい思いを繰り返していた記憶がある


▼けがをして体が動かせないときは、ほかの部員が練習する様子を眺める毎日だったが、稽古場の外にいるからこそ見えてくることはたくさんあった。部員の動きのくせなどがよく分かり、気付いたことを指摘してみると割と好評を得た。また、女子マネジャーの手伝いをしたとき、意外に力仕事が多く一人でこなすのはなかなか大変だということも分かった


▼そんな日々を過ごしていると、部員へのアドバイスやマネジャーの手伝いが、けがで離脱しているときの自分の役割となっていた。練習に参加したいというのが本心ではあったが、稽古場の外で学べたことも多かったように思う


▼われわれ建設専門紙の記者の役割は、建設業界の中に入り、有意義な情報を提供していくことがメーンとなる。しかし、現場に出て作業する職人さんではない以上、本当の意味では業界の中の人間とは言えないだろう。ともすれば、外にいるからこそ気付くこと、できることがきっとあるのではないだろうか。いつかそんな仕事ができたらと思いながら、今はまだまだ勉強の日々だ。(埼玉・KK)


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