コラム

2017/06/03

隣は何をする人ぞ(東京・KK)

隣は何をする人ぞ


▼年に数回、一人暮らしの不便さを感じる場面がある。最近も立て続けに消防設備点検とガス設備定期保安点検が対象となり、通告された平日昼間の訪問を当然のように断って土曜日に変更してもらった。「平日の昼間に対応できる一人暮らしの人はどれだけいるのだろうか」と思いつつ、法定点検なのだからやむを得ないと言い聞かせる。隣の人はどうしているのかと聞いてみたいが、会ったことがない


▼東京都内での一人暮らしとはいえ自治会には所属している。ただ自治会費は年に1回、指定された銀行口座へ振り込んでいるため、誰かが集金に来ることもない。当然ながら自治会長の顔も名前も知らない。回覧板らしきものはエレベーターの脇でたまに見かける程度


▼全国宅地建物取引業協会連合会などが公表した昨年度の「一人暮らしに関する意識調査」によると、隣に住んでほしいタレントの1位は男性がタモリさん、女性は新垣結衣さんとなった。主な理由はタモリさんが博識、多趣味。新垣さんはかわいい、偶然にでも出会えたらうれしいからだという


▼毎年調査結果を楽しみにしているが、男女ともに上位の顔ぶれは大幅には変わらず、共通点として「話しやすさ」「明るさ」「常識がありそう」との理由が目立つ。一方で「芸能人には住んでほしくない」という正直な意見が全体の半数以上を占める点も面白い


▼地方でも近所付き合いが極端に減ったとされる昨今。隣に誰が住んでいるのかも分からない生活は快適であると同時に不安に思うことも事実だ。意を決して隣へあいさつに行ったら有名人だった…ということは万に一つもないと思うが。(東京・KK)


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