コラム

2017/06/17

元気なお年寄りに期待(新潟・YY)

元気なお年寄りに期待


▼団塊の世代が後期高齢者となる2025年が近づいている。建設業界でも担い手不足や高齢化への対策は喫緊の課題だ。また、少子化が進むと予測され、15歳以上の労働力人口は先細りが見えている。もはや若者だけでは社会を支えるのは難しい


▼先日、テレビでパラオ共和国では今でも日本語を由来とした多くの借用語があることを放送していた。例えば地域のために住民が協力して行う作業を「キンロウホウシ(勤労奉仕)」と表す。あらためてパラオの人々から勤労奉仕という言葉を聞いたことで、もともと日本人に助け合いの精神が備わっていたことに気付くことができた


▼現在の日本では勤労奉仕という言葉はすっかり聞かなくなったが、ボランティアという言葉はよく使われている。わが国では、阪神・淡路大震災が起きた1995年がボランティア元年と言われている。一般市民にまでボランティアの考え方が浸透したきっかけとなったからだ


▼新潟県三条市は高齢者を中心とした有償の「ハッピーボランティア」をスタートさせた。これは、高齢者に市役所や自治会などの業務や地域活動を行ってもらうもので、高齢者自身の介護予防や健康づくりにもつながると期待されている。従来のボランティアと違うところは、少額ではあるものの報酬が発生するということ。全国的にも珍しい取り組みだそうだ


▼わずかでも見返りがあるためボランティアではないとの声もあるが、高齢者の健康維持の助けになれば社会保障費抑制にもつながる。各地にある高齢者事業団やシルバー人材センターのように、活躍する元気なお年寄りに注目したい。(新潟・YY)


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