コラム

2017/06/22

地味にすごい効果(群馬・OS)

地味にすごい効果


▼農家や傘屋にとってはうれしい時期なのだろうが、やはり梅雨はよろしくない。傘を差すのも片手がふさがるし、その行為自体が面倒だ。外出するのもおっくうだが、仕事ともなれば仕方がない。雨の中、渋々ながらも慎重に会社まで車を走らせる


▼明るい昼間のうちは気にならない。ところが会社からの帰り道、雨は相変わらずのざんざん降り。辺りが暗くなるにつれ現れるのが、路面のテカリだ。暗くなることで、ただでさえ見えにくいところに、車のライトを反射した光と雨が追い打ちをかける。歩行者や自転車の存在だけでなく、区画線の場所も分かりにくい。道幅が狭く交通量の多い道では、迫ってくる対向車も恐怖だ


▼視界が悪い中、前の車や対向車を目星に運転する。カーブや道幅は半ば記憶と勘に頼らざるを得ない場合もあり、車線内を正しく走っているかは不安になることもある。事故を起こさないよう精一杯気を張って運転するが、それが意外に疲れる。仕事帰りともなれば、なおさらだ


▼最近は透水性や排水性に優れ、雨が降っても反射しにくい舗装もある。地味でその存在に気付かないドライバーも多いだろうが、安全に寄与するなかなかの機能性だ。通常舗装との差は歴然。そのおかげで大分運転しやすくなり、交通事故を防ぐ効果は大いに見込める


▼救急救命士が書いた本に「雨の日は特にひどい事故が多い」とあった。それは視認性が悪くなることが原因の一端にあるのだろう。見える見えないが人の命に関わることもある。通常舗装に比べ工事費は高く、財政負担は増えるのだろうが、水はけの良い舗装がもっと増えてくれると助かる。(群馬・OS)


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