コラム

2017/06/27

地元の魅力再発見(山梨・HK)

地元の魅力再発見


▼7年ごとに開催される諏訪の御柱(おんばしら)祭は、日本三大奇祭の一つに数えられている。氏子が乗った御柱が斜面を滑り落ちる木落しが祭りのハイライトになっているが、山出し、里曳き、川越し、建御柱などその魅力は盛りだくさんだ


▼このなかの里曳きは各社に向かって街中を御柱を引いて回るもので、主要道路は見物客を含め人であふれ、行き来がままならない。そこで関係者が利用する裏道が上社本宮と前宮の間にあると、先日歴史探訪かたがた案内してもらった


▼道筋には、神様が降臨したとされる巨木や明治の廃仏毀釈(はいぶつきしゃく)によって取り壊された寺、この地方に多数見られる遺跡などの遺物が残されているとともに、八ヶ岳北麓を背景に諏訪湖まで一望できる景観を楽しめる格好の場所でもある。このときは時期を逃したが、鮮やかに咲き誇る二輪草の出迎えも期待できるようだ


▼今や地方の命題ともいうべきは、いかにして県外からわがふるさとへ足を運んでもらうか、だ。実際に見て、触れて、味わって、その地域の魅力を感じてほしいと願っている。そのためにイベントやらお試し居住など、あの手この手の施策を展開する


▼しかし、灯台下暗し。住んでいながらもその魅力に気が付いていない地元住民が多いのではないだろうか。人口流入もさることながら、流出への歯止めもまた重要。本宮と前宮を巡る散策道も手製の案内地図や解説パンフレットなどが作成され、地元主催でウオーキングツアーも実施されているようだ。外へ目を向けるとともに、内への見方もあらためて「住んでいてよかった」と感じてもらう施策も必要ではないだろうか。(山梨・HK)


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