コラム

2017/06/29

当然だと思っているもの(茨城・TI)

当然だと思っているもの


▼人間、慣れすぎると不便を不便とさえ思わなくなる。だからこそ、新しいものを買うことには驚きと発見があり、生活の豊かさにもつながる。不要なものを減らして生活の調和を図る「断捨離(だんしゃり)」や、最小限のもので生活する「ミニマリスト」などは、そうした便利なものに溢れている現代社会と逆行しているのではないかと思う。ただ同時に、そこまで極端になれない身としては憧れを抱く。家具は最小限でよいと考える一方で、愛着のあるものを捨てたくないとも思う。前置きが長くなったが、何が言いたいのかというと、最近ベッドのマットレスを初めて買ったのだ


▼一人暮らしを始めてからは、ベッドの硬い金網の上に直接布団を敷いていた。最初は何とも思わなかったが、途中から起きると体の節々が痛くなり、眠りの浅い日が続いた。それでも数年経てば、硬いものの上で寝ることに抵抗感がなくなるほどだった


▼買ったマットレスは、コイルスプリングの入った新品。厚みのあるマットレスの上に布団を敷き、いざ横になれば、思うことは一つ。「硬くない」


▼当たり前だったことに疑問を持つことは大切である。例えば、慣れた現場でも、ちょっとした油断から工具や建材を使ったまま放置しては、事故につながる危険性がある。なぜそれがそこに。考え直すこともまた改善だ


▼便利だからこそ、最小限の労力で扱うことができれば、作業の効率もぐっと上がるはず。その最初の着眼点は、案外当然だと思っていることかもしれない。幸い、マットレスは快適で、買ってから2回ほど寝過ごしそうになるほど。次は目覚まし時計を増やそうかと思う。(茨城・TI)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら