コラム

2017/07/29

山への感謝を忘れずに(茨城・KS)

山への感謝を忘れずに


▼梅雨が明け、太陽の季節がやってきた。ことしも各地で猛暑が予測される。体をいたわってどうかご安全に。盛夏のリフレッシュには海水浴もいいが、森林浴も捨て難い


▼昨年8月11日から施行された新たな国民の祝日「山の日」。山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝することがその趣旨という。国土の8割が山地である日本。衣・食・住、われわれの生活は全て山がもたらす恵みによって成り立っているといっても過言ではない


▼ことし4月、20歳の現役女子大生の冒険家、南谷真鈴さんが北極点に到達。これで北極点、南極点、それにエベレストやキリマンジャロなど世界7大陸の最高峰を登頂するという冒険家の栄誉、「エクスプローラーズ・グランドスラム」を達成した。もちろん日本人初で世界最年少の記録。南谷さんにとって、山は自分と向き合える〝瞑想〟に近いものなのだという


▼ここ数年、登山がブームとなり、「山ガール」と呼ばれる女性の登山者も増えている。しかし、知識や経験の浅い初心者が増えれば、それだけ事故は多くなる。百戦錬磨の上級者といえども、大自然の巨大な牙になすすべはない。ことし5月の大型連休には雪崩や滑落で多くの犠牲者が出た。また、2014年の長野県の御嶽山噴火は記憶に新しい


▼13年に富士山がユネスコの世界文化遺産に登録されたが、それもいつ取り消されるか分からない。原因はごみ問題である。マナーの悪い登山者が増えていることに加え、心なき業者による産業廃棄物が後を絶たない。山に登る人も、登らない人も、どうか大自然への畏敬の念、そして感謝の心を忘れないでほしい。(茨城・KS)


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