コラム

2017/07/01

会話は食事の隠し味(群馬・TF)

会話は食事の隠し味


▼ファミリーレストランの夕食時、4人家族が注文を終え、食事が運ばれてくるのを待っている。その家族は無言。決して仲が悪い訳でも、思春期の年ごろとみられる子どもが反抗している様子もない。ではなぜ無言なのか、それは家族全員がスマートフォンに夢中になっているからだ


▼今や一人一台が当たり前の携帯電話。パソコンと同等の機能などが加わり、より便利になったスマートフォン。機能はさらに進化し、漫画や本が読めたり、クーポン券をアプリで提示するのは普通。GPS機能を使って子どもの居場所が分かるなど防犯面でも一役買っている


▼便利な反面、その危険性を理解している人は少ないのではないか。3人に1人の子どもがスマートフォンを持つ時代、個人情報の漏えいや詐欺などの犯罪、いじめの温床となっている例は少なくない。ブルーライトなどによる身体的影響や依存症による精神的影響なども確認されているという


▼しかし、一番の問題はコミュニケーション能力の低下だという。コミュニケーション能力とは相手の言いたいことや感情などを正確に理解し、自分の考えを分かりやすく論理的に話せる能力。昨今では、企業が採用選考時に重視する要素の一つで、その重要性は高まっている


▼スマートフォンの普及だけが原因ではないが、接する機会の多い家族とのコミュニケーションが無くなっては、幅広い年代の他人が共存する職場で難しくなるのは明らか。せめて家族そろっての食事や休日は、多くの会話を楽しんでもらいたい。同じ料理でも楽しい会話とともに食べた味は、きっと違う味になるのではないか。(群馬・TF)


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