コラム

2017/07/06

スーパースター「パンダ」(群馬・TH)

スーパースター「パンダ」


▼東京の上野動物園で5年ぶりにジャイアントパンダの赤ちゃんが誕生した。喜びに湧く様子が日々の報道で伝えられている


▼パンダがここまで話題になるのには、いくつか理由がある。チベット高原を生息地とするこの動物の愛くるしさもさることながら、絶滅の恐れがある希少さと繁殖の難しさがある。発情期は1年に1回、3~5月ごろの約2週間に限られる。さらに発情期の中でメスが妊娠可能なのは3日程度とも言われている


▼次にその経済効果。都の経済効果は264億円になると試算されている。プロ野球の巨人がリーグ優勝を果たした際の経済効果が約640億円とされているので、およそ40%。感じ方に個人差はあるだろうが、決して少額ではない。客寄せパンダとはよく言ったものだ


▼産まれた赤ちゃんパンダと両親パンダは日本ではなく、中国の所有物となる。東京都と中国の協定で年間約95万ドル(約1億円)で貸与されている状況で、その飼育場所として上野動物園が使われている。国内の動物園同士で繁殖を目的とした動物の交換や派遣は珍しいことではないが、ワシントン条約により国境を渡ることはまれなケース。中国にとっても日本にとってもパンダは特別な存在で、さまざまな思惑が見え隠れする


▼赤ちゃんパンダは、名前の公募が行われ、順調にいけば生後6カ月ほどで公開される見通し。母親のシンシンも子育てに慣れてきているということで、一安心といったところか。母子ともに健康に育ってくれることが第一。日本と中国、両国の架け橋として今後も愛くるしい姿を披露してくれれば何よりだ。(群馬・TH)


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