コラム

2017/08/18

単価上昇に合わせ予算増も(山梨・MK)

単価上昇に合わせ予算増も


▼労務単価や建設資材単価は上がった。しかし、予算は増えない。すると、どういうことになるのか。山梨県は過日、早期かつ大胆な公共事業補正予算の編成を自由民主党などに要望した。その中で、最近の労務単価と建設資材単価の高騰が公共事業に及ぼしている影響に触れている


▼建設業界は近年、労務単価と建設資材単価が実際とかけ離れているとして引き上げを求めてきた。その結果、山梨県の主要12職種の平均設計労務単価は、5年前の2012年4月に1万4550円だったが、17年3月では2万108円へと上昇し、1・38倍に高騰。経済調査会による建設資材の価格指数も、12年度を100とした場合、17年6月は110・9になり、5年間で1・1倍に上昇している


▼一方で国の公共事業予算は近年、下げ止まったとはいえ横ばいが続く。そのため県では、以前と同じ規模では工事を発注できない事態になっている。確かに単価は上昇した。しかし、それに予算が追いつかず、思うように事業が進んでいない


▼要望では、昨年度の第2次大型補正予算の効果として、予算不足によって事業期間を延長していた継続事業を前進させることができたと感謝を表した。その一方、依然として多くの事業が期間延長などの停滞状態にあり、新規着工を待っている事業も「列をなしている」と強調する


▼公共事業の補正予算は、予算の成立から実際に契約するまでに数カ月を要する。そこで県では、年度後半の経済の腰折れを防ぐ視点からも、秋口の大規模な補正追加が安定的な景気回復に効果的であると訴えた。要望の趣旨に賛同する。(山梨・MK)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら