コラム

2017/08/19

一日も早い復旧・復興を(茨城・TI)

一日も早い復旧・復興を


▼「スクラップ・アンド・ビルドでこの国はのし上がってきた。今度も立ち直れる」。2016年公開の映画「シン・ゴジラ」で、俳優の竹野内豊が演じる赤坂秀樹内閣総理大臣補佐官の台詞だ。これが妙に印象に残っている。何度か「スクラップ・アンド・ビルド」という言葉を取材先で耳にする機会があったためだ。古い設備や施設を廃棄し、新しいものに置き換えるという意味。実例を目の当たりにすると、さらに印象が変わってくる


▼仕事の関係で、しばらく離れていた地元の茨城県常総市を訪れる機会が増えた。あらためて街並みを見てみると、変わっているところが多く目に付く


▼閉店したスーパーマーケットの跡地は別の系列店となっている。コンビニエンスストアは店舗数が増え、市役所に至っては新しく建て替わっていた。今年2月には圏央道が県内で全線開通し、常総ICも供用された。ちょっとした浦島太郎気分だ


▼ただ残念ながら、景観の変遷の中で最も目を引いたのは、15年に起きた関東・東北豪雨の被害の爪痕。政府は激甚災害に指定し、国土交通省の「鬼怒川緊急対策プロジェクト」による堤防改良など、復旧・復興事業によって以前の姿を取り戻しつつあるが、水害の痕を見掛けると、まだ道半ばであることを思い知る


▼7月上旬に福岡、大分県などを襲った九州北部豪雨。河川の氾濫や土砂崩れなど、深刻な被害となった。関東・東北豪雨をはじめとするこれまでの災害の教訓を生かし、一日も早い復旧・復興を願う。それには立ち直れることを信じ、スクラップ・アンド・ビルドをどう具体的に考えていくかが重要だ。(茨城・TI)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら