コラム

2017/08/23

ワークライフバランス求む(茨城・TT)

ワークライフバランス求む


▼事務所が入っているビルに出店しているパン屋に長蛇の列ができていた。ビルには研修に利用できる部屋もあるため、企業などが各種セミナー会場として利用するときには、このような状況がしばしば見られる。しかしこの日の行列の長さは特別だった


▼研修会場の入り口に掲げてある張り紙に目をやるとワークライフバランスをテーマにしたものだった。建設業界でも取り組みが行われている働き方改革のキーワードの一つだ。パン屋の長い行列が、このテーマの注目の高さを表している


▼茨城版夏季特別号の企画の一つとして、地域建設業界で活躍する女性経営者や技術者にインタビューする機会に恵まれた。雇用する側、される側それぞれに悩みはあるものの、その中で一つの鍵となったのが、家事や子育てなど妻や母としての役割と仕事とのバランスだった。当事者にとっては、どれも本業なのだ


▼女性技術者の中には、男性ばかりで暗黙の了解の多い世界で経験を積み、ようやく一人前になったと現場で認められるようになった時、年齢的なことを考え仕事を続けながら、出産・子育てに踏み出すには相当な覚悟がいる


▼けんせつ小町や土木系女子(ドボジョ)など愛称だけが独り歩きしているが、地方の建設業界で働く女性技術者は、まだまだ増えている実感はない。女性用トイレの設置など、女性に働きやすい環境整備は、全ての従事者にとって働きやすい職場に、そして業界のイメージアップや若手人材育成につながる。担い手の確保・育成には当然先行投資が必要で、そのためには地方の建設業が持続できる利潤の確保が不可欠だ。(茨城・TT)


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