コラム

2017/08/24

原則と例外の関係性(埼玉・UT)

原則と例外の関係性


▼災害やトラブルが発生した際、対応する組織のトップは、情報が集積される本部で指揮を執ることが原則と聞いたことがある。現場に赴いて混乱を招くことがあってはならないし、指揮官の身に万が一のことがあってはならないという危機管理の視点も重要だろう


▼以前、ある組織の長が災害対応で、事務所を出て前線に基地を設けて指揮を執り、事態を早期に収拾した例を聞いた。原則は十分に理解した上で、それでも最善の策と熟慮して対応したのだろう


▼戦国時代の川中島の戦い。上杉謙信の太刀を武田信玄が軍配で受ける場面が伝えられている。この場面が本当にあったかどうかは分からないが、思いを馳せるとわくわくするという歴史ファンも多いのではないだろうか。事実ならば、総大将の謙信が自ら最前線に切り込み、武田軍の最後方まで達したことを意味している


▼規定やルールにはしばしば、ただし書きが設けられる。「ただし~の場合はこの限りではない」といった具合に。本来の原則に対し、例外の運用を認めるケースが多い。原則より例外の方がポイントとなっていることもあるのではないだろうか


▼まちづくりにおいて、これから加速する少子高齢化を踏まえると、コンパクトシティを推進することは当然といえる。駅前などの拠点に医療、福祉、商業施設などを集約し、そこに至る交通手段を確保することは、高齢者にとっても暮らしやすいまちになる。この原則に対し、開発を抑制する市街化調整区域の土地利用はどうあるべきだろう。立地を全て排除するのではなく、例外的には認める運用も求められるのではないだろうか。(埼玉・UT)


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