コラム

2017/09/30

気遣い+ユーモア=魅力的(新潟T・H)

気遣い+ユーモア=魅力的


▼先日、トンネル工事の貫通式の取材に行く機会があった。計画からトンネルが無事貫通するまでにどれだけの労力を費やして、この祝酒にたどりついたのだろうか。まじまじと現場を見渡し、山を眺める。小さな人間が大きな山にコツコツと穴を掘ってこのトンネルを貫通させたのだと思うと、ただ感心するばかりであった


▼その取材中、たまたま目に入った元請け業者の社長の振る舞いに感銘を受けた。祝杯を挙げ、関係者で歓談している中、隅にいた協力業者の人たちに自ら声を掛けに行き「一番現場で苦労した人たちは真ん中に来ていっぱい飲んで下さいよ」とその人たちの背中を押しながら祝杯の真ん中に連れ出していた。何気ない光景であったがとても印象に残った


▼印象に残ったといえば、先日、甥(おい)っ子を連れ、地元のお祭りに行った時のこと。真っ先に向かったのは輪投げの屋台。特別賞のニンテンドースイッチが一番のお目当てだ。特別賞と書かれた棒にきれいに輪が入れば賞品がもらえるとのこと。1回500円で10輪。見るからに意地悪くできている特別賞の棒にそう簡単に輪が入るわけがない。甥っ子はそれを4回もチャレンジしたが、結局商品を獲得できずに終わった


▼すると、店のおじさんはギラギラしたネックレスとガムを甥っ子に渡し「ほらこのネックレスでEXILEになれよ。あとこのガムでくやしさを噛み締めてまたあしたからガンバレよ」と残念賞をくれた。しょぼくれていた甥っ子からも思わず笑みがこぼれた


▼どんな時でも、いくつになっても気遣いができ、ユーモアを持ち合わせている大人は魅力的である。(新潟T・H)


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