コラム

2017/09/06

地域で支え合う高齢化(山梨・SA)

地域で支え合う高齢化


▼先日、県内の建設団体が主催するボランティア活動の現場を取材した。内容は独居老人宅を対象とした漏電の有無や漏水点検を無償で行うもの。民生委員の案内や業者の協力を得て、数件の独居老人宅に同行した


▼点検作業では漏電直前の配電盤を見つけ、対応策を丁寧に説明、接触不良の疑いがある電球や蛍光灯の交換作業が短時間で速やかに行われた。作業員の専門的な支援に対し、一人住まいの老人から贈られた優しい笑顔と感謝の言葉が印象的だった。ここで、民生委員の人が「今日の食事は美味(おい)しかった?」や「お庭のお花の手入れがいいね」「お部屋の中がきれいだね」と声を掛けると、一人住まいの方の表情も笑みで溢れた。生き生きする表情に委員の方からの細かな声掛けが大切であることに気付いた


▼高齢化社会に直面している地方の自治体では人口減少が進んでいる。数年前に公表された消滅自治体リストによると、2040年には896自治体が消滅するとされていた。地方から若者が離れ、首都圏に集中するのが要因で、早期の対策が求められる


▼北海道の自治体では、行政と民間が協力し、IT技術を生かした見守り支援システムを導入している。センサーを備えた機材を室内に設置、モニタリングにより高齢者の生活を見守る


▼IT技術の進歩による支援も著しい昨今だが、やはり人間は人との交流やコミュニケーションにより安否確認や地域の活力を支える。前述した無償点検や声掛けという地道な活動により、地域が一体となって互いに支え合うことができる。こういった取り組みが自治体を消滅を回避する策になり得る。(山梨・SA)


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