コラム

2017/09/15

球技場建設に県民の理解を(山梨・MK)

球技場建設に県民の理解を


▼山梨県は、収容人数2万人を想定する総合球技場の建設場所を甲府市郊外の小瀬スポーツ公園周辺に決定した。同じく郊外に建設されるリニア中央新幹線の駅前も候補地としていたが、整備費や施設機能などを比較・検討して決めた


▼小瀬公園周辺とした理由について後藤斎知事は、以下の点を挙げた。①リニア駅前に建設する場合、駅前に整備を想定している「観光交流・産業振興エリア」の6割以上を総合球技場やその駐車場が占め、県の新たな玄関口にふさわしいプランニングの自由度が狭められる②リニア駅前の方が小瀬よりも用地費が掛かる③小瀬公園周辺の自治会から総合球技場の建設を強く要望されている―など


▼建設費や運営費の確保も大きな検討の視点だった。総合球技場検討委員会が試算した建設費は80億円から140億円。人口約82万人の山梨県にとって小さくない投資になる。県では「県民負担の最小化と利用の最大化」をコンセプトに財源の確保を検討する


▼球技場の建設は巨額な投資であり、それには県民の理解と協力が不可欠だ。県では今後、整備基本構想、整備基本計画の策定を進めるが、後藤知事は「県民に今まで以上に幅広く情報提供しながら、丁寧にご理解を得ていく作業を進めていきたい」と会見で述べた


▼建設を求める10万人の署名提出から始まった総合球技場の建設計画。そこには、山梨にふさわしい、県民が誇りに思える球技場の整備をという願いが込められている。建設の具体化には用地取得や整備・運営費の確保など多くの課題が待ち構える。難題を突破するには県民の理解と後押しが必要だ。(山梨・MK)


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