コラム

2017/09/20

身近な演出家たち(山梨・HI)

身近な演出家たち


▼ピアノのコンサートに行ったことはあるだろうか。ジャズやクラシック、ロックなどジャンルよってコンサート会場の雰囲気は大きく異なる。演奏中は受動的に自分の中で感傷に浸ることもあれば、リズムに合わせ観客も激しく踊る楽しみ方もある。気が付けばあっという間に時間が過ぎ去り、みんなが満足顔をして帰っていく


▼来場者に満足して帰ってもらうのがプロの演出家であり、演奏家なのだろう。ただ奏者を評価することはあるが、演出を評する人は多くない。演出家よりも演奏家の方がイメージが強いのだろう。これはテレビのお笑い番組でも同じことが言えるのではないか。大御所芸人が司会を務め、雛壇(ひなだん)芸人を華麗にさばいていく。当たり前のように笑いを提供する彼ら芸人もまたプロの演出家といえる


▼演出には大きなものから小さなものまであるが、それを注目してみるのも観客側の楽しみ方の一つかもしれない。曲が盛り上がるところで、体はどのように使っているのか、照明はどう動いているのか。芸人が笑いを取る時、声をどのように発しているのか。他と比べることで、演出の共通点や違いが発見でき、作品が終わるころには、これまでとは違った満足感を得られるはず


▼演出家の使う技術を自身の日常生活に取り入れてみるのも一興だと思う。自分自身もプチ演出家になれるかもしれない。身近な演出家から学ぶチャンスはいくらでも転がっている


▼夏の甲子園(全国高校野球選手権大会)を見ただろうか。毎年大きな盛り上がりを見せ、私たちを魅了するこの一大イベントの裏には、どれだけの演出家がいるのだろうか。(山梨・HI)


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