コラム

2017/09/29

モラル低下と平和ぼけ(茨城・KS)

モラル低下と平和ぼけ


▼「近所のお祭りがうるさい」「風鈴がうるさい」「除夜の鐘がうるさい」などの苦情が近年増えているという。一体いつから日本人はこんなにも殺伐となってしまったのだろう


▼ツイッター、フェイスブック、ユーチューブなどによって、誰もが簡単に主義主張を発信できる時代になった。しかし同時に使用者のモラルの低下も顕著に露呈している。最近では動画投稿サイトで、覚せい剤に見立てた砂糖を警察官の前でわざと落として逃げるという、悪質ないたずら映像を投稿した夫婦が逮捕された


▼8月29日早朝の北朝鮮のミサイル発射の際には「Jアラートがうるさい」という仰天の苦情が飛び出た。かつて有名IT企業の経営者だった著名な実業家も「こんなんで起こすな。いちいち警報出すな」とツイッターでつぶやき、物議を醸した。怒りの矛先は大量破壊兵器であるミサイルを発射した方に向けるべきではないのか


▼72回目の終戦記念日を迎えた8月15日、とある芸人がツイッターで「僕は国よりも自分のことが好きなので絶対に戦争が起きても行きません」と宣言した。現在の日本はミサイルを向けられても、ただ攻撃してくるかどうかを見極めることしかできない状態なのに、どうして戦争をする話へと飛躍するのか。不特定多数に大きな影響を与える芸能人である。公共に向かって発言するべきではない。お茶の間に笑顔をもたらしてくれている人気芸人の考え方に大きく失望し悲しくなった


▼世界の常識から逸脱した独裁国家がどうして弾道ミサイルを発射できるのか。今こそ真実を学び〝平和ぼけ〟から目を覚ますときなのかもしれない。(茨城・KS)


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