コラム

2017/10/07

相撲ブームに思うこと(埼玉・KK)

相撲ブームに思うこと


▼一時の低迷期を脱し、ブームと言われるようになってから久しい大相撲。年6回開かれる本場所は、連日満員御礼となる盛況ぶりだ。そんな大相撲の屋台骨を支えてきた第一人者といえば、間違いなく横綱・白鵬関だろう。9月場所の休場は残念だったが、これまで数多くの歴代最高記録を樹立し、角界の中心として活躍してきた


▼白鵬関が横綱に昇進したのは2007年。もう10年も前になる。当時、朝青龍関の一強時代だったこともあり、新横綱誕生は相撲界にとって明るいニュースだった。ところが、07年の角界といえば、朝青龍関が巡業休場中に起こしたサッカー騒動、時津風部屋の若手力士暴行死事件など、不祥事が数多く発生。以後も角界はさまざまな問題に揺れた


▼この間、角界に対する風当たりは日に日に強まった。白鵬関がどれだけ快挙を成し遂げても、相撲の話題は不祥事が先行。それでも地道に人気回復を図り、真面目に土俵を守り続けた白鵬関らがいたからこそ、ようやく花開いた昨今のブームといえる


▼人間の記憶は、悪い印象の方が深く残りやすいように思う。身近な場面でも「学業や仕事で成果を挙げているのに、言動が原因で周りからの評価が低い人物」や「料理は美味(おい)しいが接客が悪く、一度しか行かなかった飲食店」など誰しも体験したことがあるのではないだろうか


▼個人個人が周囲に与える印象は、その人が所属する組織、ひいては業界全体のイメージにもつながる可能性がある。「自分が良ければそれでいい」では済まされない。苦労を背負うのは、白鵬関のような真面目に努力を重ねる多くの人たちなのだから。(埼玉・KK)


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