コラム

2017/10/13

半世紀の時の流れに(山梨・HK)

半世紀の時の流れに


▼その年のプロ野球日本シリーズ、初めてパリーグを制した阪急を巨人が下してV3を達成した。森永のチョコボール、リカちゃん人形が発売され、トヨタは、ランドクルーザーや2000GTを売り出した。ラジオではジェットストリーム、オールナイトニッポンが放送開始となり、漫画ルパン三世、あしたのジョーの連載が始まった。50年前の出来事である


▼翌1968年には、電動計時による世界初の9秒台が記録されたのが陸上男子100m走。桐生祥秀選手が、日本人で初めて10秒の壁を破ったことは記憶に新しい。半世紀の月日を費やし、本人のコメントにもあるように「世界のスタートライン」に立った


▼先頃、50回を数える山梨県鉄構溶接協会主催の溶接競技会の表彰式が執り行われた。来賓から寄せられた「競うことが技術向上のエネルギー」「ものづくりに携わる人たちの目標」「技能伝承の場」といった趣旨の祝辞に、50年の歳月の重さを感じた


▼半世紀にわたる年月が壁ともなり、それを超えるために、打ち破るために、飽くことなく立ち向かう。一方で、決して太くはないかも知れないが、時の流れとともに続く長い道はかけがえのない力を生み出す


▼冒頭の商品はその様相を変えながらも今でも店頭に並び、番組は続き、漫画は映画として復活を遂げている。継続は力なり。その時々の社会情勢や、はやり廃りに装いは変わるけれども、初めに抱いた思いは時とともに磨かれ、魅力を広げ、足跡をたどる後継者へ届くことだろう。表彰式の謝辞でも語られた「感激を忘れることなく、これからも精進」が繰り返されることを願う。(山梨・HK)


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