コラム

2017/10/25

好機を無駄にしないために(茨城・KS)

好機を無駄にしないために


▼都道府県魅力度ランキングで茨城県が5年連続で最下位となった。ことしは茨城に強力な追い風が吹いたはずなのだが


▼昨年12月のサッカークラブワールドカップで世界にもその名をとどろかせた鹿島アントラーズは、鹿嶋市をはじめとする鹿行(ろっこう)地域がホームタウン。19年ぶりの日本人横綱として大和魂を揺さぶった稀勢の里関は、2歳から県南地域の龍ケ崎市、中学2年から隣の牛久市で過ごした


▼またゴルフ界では笠間市出身の畑岡奈紗選手が、日本女子オープンゴルフ大会で史上最高スコアで40年ぶりの2連覇を果たした。名前は「前人未到のことをするように」とアメリカ航空宇宙局「NASA」からとったという。そういえば、日本版NASAともいえる宇宙航空研究開発機構「JAXA」はつくば市にある


▼スポーツだけではない。作家の恩田陸さんが書いた『蜜蜂と遠雷』が第156回直木賞に輝いた。恩田さんは青森県生まれだが、中学3年から水戸第一高校卒業まで水戸市で暮らした。同校の名物イベントである「歩く会」をテーマにした『夜のピクニック』は映画にもなった。さらに芸能界では、昨年の漫才コンテスト「M-1グランプリ」をきっかけに、人気が急上昇しているお笑いコンビ「カミナリ」は、日本一のメロン産地である鉾田市出身だ。余談だが鹿島神宮の祭神は雷神である


▼こんなにも同郷の人が活躍しているだけに、今回の最下位は落胆が大きい。ただ、交通マナーや動物の殺処分、外国人の不法就労など、魅力を台無しにしてしまう問題が山積しているのも事実。県民が共通認識のもとに解決しなければならない。(茨城・KS)


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