コラム

2017/10/27

両さん、おかえりなさい(茨城・HS)

両さん、おかえりなさい


▼何気なく立ち寄ったコンビニエンスストア。ふと目を向けた先に懐かしい顔がいた。マジックで描いたような太い眉とまばらな無精ひげ。もう何十年と見てきた顔だ。古馴染みの友、と言ってもこちらの一方的な片思いだが、白い歯を見せて笑う彼との再会に、自然と頬がほころんだ


▼彼とはここ1年、とんとご無沙汰だった。たった1年の空白がここまで心を動かすのかと、われながら何とも言えない気持ちになった。その先は言わずもがな。ためらいなく彼を手に取り、買い物カゴに入れた


▼昨年9月に終了した人気漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所(通称こち亀)』が、週刊少年ジャンプに帰ってきた。1話限りの読み切りだが、相変わらずの安定感。主人公・両さんのキレは健在だった。レジに並ぶ時間さえ待ち遠しく、購入後、すぐに車に乗り込み、ページをめくった。そして、立ち読みで済ませていたらきっと近くの人に怖がられていただろうと思うほど笑った


▼作者の秋本治さんは今、4つの漫画誌に4つの作品を不定期連載している。どうやらこち亀も今後、定期ではないが描き続けていくようだ。それにしても御年64歳にしてこのバイタリティには恐れ入る。秋本さんの頭の中には一体どれほどのアイデアが詰まっているのだろうか


▼こち亀の連載終了は多くの人に衝撃を与えた。連載復活を望む声も多かったに違いない。そして両さんは1年間の有給休暇を終え、皆のもとに帰ってきた。充電を終え、今まで以上のハチャメチャぶりを見せてくれることだろう。この場を借りて言わせていただきたい。「両さん、おかえりなさい」(茨城・HS)


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