コラム

2017/11/11

漂流するプラスチック(山梨・SA)

漂流するプラスチック


▼先日、静岡県の砂浜を清掃するボランティア活動を取材した。清掃場所の砂浜を見ると、いったいどこからきたのかと思うほど巨大な流木や家庭用電化製品が所々に散乱。参加者が持つ収集袋を見ると、ビニールやプラスチック類が目立ち、あっという間に袋はいっぱいに。海には多くのごみが漂い、砂浜だけでなく海も汚れていることが分かる


▼活動は、富士山に隣接する廃棄物処理業者の団体が連携し、県や地域ブロックの垣根を越えて実現したもの。作業は雨と海風が激しい悪天候となったが、参加者たちは地道にごみを拾い続け海岸の美化に努めた


▼収集物の中で特に目立ったプラスチックは、人間が日常生活を送る上で利用頻度が多い身近な品。加工しやすいが紙類とは違い分解しにくい。特にコンビニやスーパーのレジ袋は、風に飛ばされやすく、海に漂えば回収は困難。これらが海を汚す一つの要因となっていることに罪悪感を感じる


▼スーパーなどでレジ袋の有料化が普及している。マイバッグを使うこともごみを減らすための活動の一つだ。外国では、年間1人当たりのレジ袋の枚数制限を推進する。世界が一体となりごみの削減を進めることが必要


▼このまま海が汚れ、海洋生物が細かく砕かれたプラスチックなどを体内に取り入れると、生態系や食の安全にも少なからず影響が出る。削減にはごみをなるべく出さず、すぐ捨てず何度も使い、リサイクルするなど、身近でできることを意識し自然と共存していかなくてはならない。清掃活動の現場でビュービュー吹く海風に遭遇後、急ぎ足で会社に戻る車の中でそう感じた。(山梨・SA)


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