コラム

2017/11/16

下剋上なき安定を(山梨・HK)

下剋上なき安定を


▼戦国時代とまでは言わずとも、見方によっては乱世と呼べるのだろうか。アベノミクスが高々とうたい上げられ、平均株価は上昇すれど、消費者の財布のひもは固いようで、地方や中小企業にとっては景気浮揚の実感は薄い。国内でも信じられないような事件が後を絶たない


▼〝乱セ〟はプロ野球の話。覇者・広島東洋カープから14・5ゲームの大差をつけられて3位に甘んじた横浜DeNAベイスターズが、クライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズに駒を進めた。下剋上とばかりにスポーツ紙などマスメディアは騒ぎ立てたが、最後はパシフィックリーグの覇者・福岡ソフトバンクホークスに敗れた


▼下剋上の意味を調べてみると、下位の者が上位の者の地位や権力などを実力で侵すこととある。日本の歴史における戦国時代の社会的風潮を象徴する言葉だ。が、これらも豊臣秀吉や徳川家康の登場まで。秀吉や家康といった真の実力者の出現に歯向う者はなかったということである


▼ガ行の音から始まる言葉には硬さや荒々しさを感じるのは気のせいだろうか。「怪獣の名はなぜガギグゲゴなのか」の著者である黒川伊保子氏が、音が与える印象について「ガ行は男性を興奮させるので怪獣などによく使われる」とテレビ番組で語っていた。覇権や出世の闘いの中で生まれた下剋上という言葉が似合う訳に納得する


▼森友・加計学園問題の不安を抱えつつも、ライバルの自滅で衆議院選挙を圧勝した安倍首相。党内でも下剋上の気配さえ感じられない中、平和な日本と国民の安全・安心のために粉骨砕身、仕事に励んでいただきたいものである。(山梨・HK)


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