コラム

2017/11/21

ともに絶やさないために(茨城・TT)

ともに絶やさないために


▼絶滅の恐れが極めて高く近い将来、地球上から存在しなくなってしまう可能性のある野生生物は「絶滅危惧種」と呼ばれているが、最近これにかけて絶メシという言葉を耳にした。食いしん坊なので、がぜん気になり調べてみた。絶メシとは、絶滅の危機に瀕(ひん)している絶品グルメのこと。後継者がいないため、惜しまれつつ閉店またはその恐れがあることを意味しているらしい


▼飲食店に限らず、長年通うお気に入りのお店があるという人も少なくないと思う。かく言う自己を顧みると20代のころから定期的に通っていた地元の化粧品店があった。最初は、買い物だけを済ませ早々にお店を後にしていたが、いつのころからか椅子に座りお茶を飲みながら心地よく雑談するまでになっていた


▼10年以上通い続けたある日、店主に「今年いっぱいでお店を閉めることになった」と申し訳なさそうに告げられ、数カ月後に近くを通ると駐車場に変わっていた。今も、その駐車場を見ると寂しい気持ちになる


▼建設産業でも少子化による担い手不足が深刻化し、さまざまな施策に取り組んでいる。生産性向上、週休2日の確保、長時間労働の是正、処遇改善など、若年層を取り込むため真に魅力的な産業へ脱皮しなければ、地域の建設業は衰退してしまう恐れもある。地域の安全・安心の守り手が減少すればいろいろなところで影響が出る


▼まちの活性化、あるいはまちづくりという点では、地元の人に愛される地元のお店とそれをつくる建設業は必要不可欠な存在。ともに絶やさないためにも官民連携で考えていかなければならない時代にきている。(茨城・TT)


厳選されたコンパクトな記事で
ちょっとリッチな情報収集

建設メールはこちら