コラム

2017/12/01

日本の地下鉄でおもてなし(東京・KK)

日本の地下鉄でおもてなし


▼地下鉄で通勤する生活に変わってから3年になる。朝夕の通勤ラッシュは、すぐに慣れると安易に考えていたがいつまでたっても慣れない。比較的空いている時間帯を見つけたと思ったら、ダイヤ改正によって振り出しに戻ることも3回経験した。小池百合子都知事が選挙公約で掲げた「満員電車ゼロ」の実現を期待したいところだが、最近は日々の修行だと前向きに思うようにしている


▼満員電車でなければ雨に濡れずに地下から直結で目的地に到達できる地下鉄は非常に便利であるし、何より楽だ。近年は大きなスーツケースを持って地下鉄で移動する外国人の姿が目立つようになり、電光掲示板は4カ国語表示が珍しくなくなった。外国人旅行者にとっても利用しやすいのだろう


▼1927年に東洋初の地下鉄が上野~浅草間に誕生してから12月30日で90年を迎える。今では国内9都市で41路線の地下鉄が走り、開業当時2・2㎞だった営業距離は全国で749㎞に達した


▼世界初の地下鉄は1863年にイギリスのロンドンで生まれた。日本の地下鉄の父と呼ばれ、東京地下鉄道を創業した早川徳次(のりつぐ)は、ロンドンの地下鉄に感動し東京で走らせることを決意した。その後、関東大震災の発生、難工事の連続など幾多の困難を乗り越え、開業にこぎ着けたことが、今の日本の地下鉄の繁栄につながっている


▼3年後に迫った東京オリンピック・パラリンピックでは世界各国の人々が地下鉄を利用する。ハード面の充実に加え、マナーを守る、譲り合うといった誰にでも簡単にできる日本の「おもてなし」の精神を利用者に見せることも大切だ。(東京・KK)


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