コラム

2017/12/14

名前、履歴をを残す(埼玉・UT)

名前、履歴をを残す


▼スーパーの野菜売り場には、生産者の写真や似顔絵が書いてある商品が見られる。好んで買う方もいるのではないか。また仮に金額が同じならば、多くの人は生産者情報が示してあるものを手に取る気がする。価格差がいくらまでならば購入するかの範囲については、個人差があるだろう


▼公共工事の世界では、施工に携わった技術者の氏名などを記した銘板を設置する動きが出てきている。関東地方整備局も地域インフラサポートプラン関東2017の中で、新規の取り組みとして打ち出した。また映画のエンドロールのように、現場に携わった人たちの名前を示す電子銘板を検討した経緯もある


▼トレーサビリティという言葉をしばしば耳にする。追跡可能性などと訳されており、生産・流通履歴を明確にすることで、品質や安全性を証明する取り組みを指す。食品であれば、生産者から製造・加工、卸売り、小売りなどを経て、消費者に届く。農林水産省はこうした移動を把握できる食品トレーサビリティを推奨している。取り扱った記録を残すことにより、食品事故などの問題があった時に、どこから来たのかをさかのぼって調べ、どこに行ったのかを追跡できる


▼工事についてもトレーサビリティを導入している事例はある。ICタグを活用してコンクリートの製造、現場への搬入、荷卸し、施工に至るまでの履歴情報を記録・保存している


▼建設現場にICT(情報通信技術)を導入する動きが急速に広がっている。主目的として掲げている生産性向上に加えて、トレーサビリティへの取り組みにつなげていく視点も考えてみたい。(埼玉・UT)


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