コラム

2017/12/15

不公平感のない税制を(茨城・HS)

不公平感のない税制を


▼「また弱い者いじめか」。そんな声がそこかしこから聞こえてきそうだ。財務省の2018年度税制改正大綱に、たばこ税の増税が盛り込まれることになるという


▼7年前の増税では実売で100円以上の値上げだった。次回は1箱(20本)で70円値上がり、1箱500円程度になりそう。2日で1箱吸ったとしても、1年で9万円以上の出費になる。ちょっとした戦慄(せんりつ)だ。日々の生活にたばこが欠かせない人には死活問題に違いない。喫煙家ではないので関係はないのだが


▼逆に喫煙家にとっては、どうして自分たちばかりが目の敵にされるのか、憤懣(ふんまん)やるかたないだろう。増税に次ぐ増税。自由に喫煙できる場所は徐々に減り、やっとのことでオアシスにたどり着いても、通行人からは嫌悪の目で見られる。ここまで迫害される嗜好(しこう)品も他にないのでは


▼他にも、日本から出国する人に課せられる「出国税」も検討されている。帰国する訪日客はもちろん、旅行や出張などで海外へ行く日本人も対象となり、1人当たり1000円程度を想定しているようだ。昨年度の出国者数は約4000万人というから、何もせずとも約400億円の税収になる。政府からしてみれば、これほど手っ取り早くありがたい収入はないだろう


▼先日の衆議院選挙で与党が大勝し、消費税10%が現実味を帯びてきた。社会保障費の増加から一般紙ではそれもやむなしとの論調が多い。しかし誰しもが自らに係わる増税を喜んではいない。個人的にたばこ税も出国税も縁遠い存在とはいえ、こうも増税続きでは気が滅入る。政府にはできるだけ不公平感のない税制を構築してほしい。(茨城・HS)


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