コラム

2017/12/22

建設業を伝えなければ(茨城・KM)

建設業を伝えなければ


▼ゲーム機で自撮りをしながら周辺の様子を実況して遊ぶ姿を見て、うすうす感づいてはいた。そしていよいよその時がきた。仮面ライダー、ラーメン屋、サッカー選手と変わり、ここ数年は宇宙飛行士に落ち着いていた息子の夢がユーチューバーに変わった


▼ソニー生命保険がことし4月に発表した「中高生が思い描く将来についての意識調査2017」によると、「将来なりたい職業」で「ユーチューバーなどの動画投稿者」は、男子中学生の3位、男子高校生の10位を獲得した。第1位は、いずれも「ITエンジニア・プログラマー」だった


▼教育学者の本田由紀さんは、講演後に出た「高校生に夢を書かせるとユーチューバーとか声優とかばかり出てきて困る」という意見に対し「世の中がさまざまな仕事で回っていることをちゃんと伝えずに夢ばかりあおれば、彼らが日頃親しんでいるユーチューブやアニメのことしか思いつかないのは当然」と答えたという


▼ユーチューバーは、もはや一つの職業として市民権を得ている。そして説明の必要が無い、分かりやすい仕事だ。建設業はどうだろう。道路や橋、建物は、日々利用しているので説明の必要は無いだろうが、その造り方や役割が十分に伝わっているか、と言われると疑問符が付く


▼建設業界では担い手不足解消に向け、新3K(給料・休日・希望)の取り組みが進むが、併せて「建設業の必要性や道路や橋、建物の造り方」を「正しく、格好良く」伝えなければならないのではないだろうか。さもなくば、建設業が若者の夢となるどころか、仕事として意識されることすら無くなってしまう。(茨城・KM)


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