コラム

2018/01/11

住民の理解得る活動も大事(埼玉・SW)

住民の理解得る活動も大事


▼東日本大震災を一つの契機として、全国各地で耐震性に不安を抱える庁舎の建て替え計画が進められている。竣工、建設中、構想段階など状況はさまざま。地震などの災害が発生したときに、首長も巻き込まれて陣頭指揮が取れないという事態に陥ると、住民のさらなる混乱を招きかねず喫緊の課題だ


▼埼玉県内の多くの自治体でも、整備が検討されており、某市でも整備審議会で議論が進められている。先日の会議では本庁舎を設置するエリアを複数の候補から一つに絞り込み、審議は整備手法の検討に移った


▼同市では2012年から審議を進めているが、約5年が経過しても具体的な動きには至っていない。しびれを切らしたのか、ある委員は「スピード感をもって取り組むべき。位置だけでなくおおよその場所まで考えるべき」などと声を荒げていた。一方で、「東京オリンピック後は状況が変わってくる。10年程度のスパンで少し長い目で見るべき」との声も出され、議論は白熱した


▼同市の本庁舎では現在、補強工事が行われている。ただでさえ手狭な庁舎が、工事の影響でより手狭になっている。「これだけの規模の自治体の庁舎としては情けない。早めに新庁舎を建設するべき」という意見も的を射ていると言える


▼補強工事を行ってもコンクリートそのものが長持ちするわけではなく、抜本的な延命化にはつながらない。それを理解できない住民が少なからずいることも課題だ。「新庁舎建設は市民に知られていない。広報活動が重要」の声に象徴されるように、住民に理解を得ながら活動していくことも大事な行政課題と言える。(埼玉・SW)


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