コラム

2018/01/12

将棋界に要注目(茨城・KN)

将棋界に要注目


▼将棋界が熱い。棋士の羽生善治(はぶよしはる)さんが竜王のタイトルを獲得し、前人未踏の永世七冠を達成した。羽生さんは中学生でプロの世界に飛び込み、25歳で史上初の七冠独占。その後も常にタイトルを保持し、第一線で結果を残し続ける姿は見事と言うほかない


▼話題になったのはベテランの活躍ばかりではない。史上最年少棋士として14歳2カ月でデビューした藤井聡太さんは、最多記録を塗り替える29連勝を記録。今後の活躍がますます期待される。公式戦初戦、加藤一二三(かとうひふみ)さんとの最長年齢差対局も注目を浴びた。その加藤さんは、引退後にTVなどのメディアに引っ張りだこで、すっかりお茶の間の人気者だ


▼江戸時代以前から庶民の間で親しまれる伝統遊戯が、21世紀においてもなお人々を魅了する。その理由は将棋というゲームの魅力が大きいことはもちろんだが、新しいメディアの積極的な活用も一因だと思う


▼インターネット対局の普及は将棋人口の拡大に貢献。「3月のライオン」をはじめとする漫画や小説などは、従来のファン以外が将棋に目を向けるきっかけになった。コンピューターと現役プロ棋士が対局し、動画サイトで放映するという企画も大きな注目を集めた。最新鋭のコンピューター相手にプロ棋士が敗れることもあり、イメージ低下を危惧する声もあったが、現在の人気ぶりを見れば杞憂(きゆう)だったということだろう


▼今後期待するのは羽生さんと藤井さんのタイトル戦だ。若き俊英と、いまだ衰えを知らぬ最強棋士の戦いは想像するだけで胸が高鳴る。藤井さんの後にもまだまだ若い才能が登場するだろう。今後の将棋界に注目だ。(茨城・KN)


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