コラム

2018/01/18

どうかご安全に(埼玉・YM)

どうかご安全に


▼建設現場や工場など危険が常に内在している仕事は多い。少しの操作ミスや判断の遅れが惨事につながることもある。そのため、日ごろから安全を心掛ける必要があると強く感じる


▼新卒時代に工場研修をする期間があった。そこでは毎日の朝礼で安全に作業することを確認する時間があった。とても良いことだと思って取り組んでいたが、3日ぐらいすると安全確認は機械的にしているだけで、普段は作業に追われて安全の意識が二の次になりがちな現状が見えてきた


▼ヤマト運輸の元社長で、宅配便の生みの親である故・小倉昌男氏は自社の事故率が減らないことに苦慮していた頃に、事故率の少ない会社を視察する機会があった。その会社には「安全第一、能率第二」と書かれたポスターが貼られていたことに小倉氏は気が付く。第一を示すだけでなく、第二まで示すことで第一を際立たせるこの手法を取り入れて「安全第一、営業第二」としたヤマト運輸は、事故率が減るだけでなく営業成績も上昇していく


▼日々の声掛けや定期的な研修はもちろん必要だが、その言葉や行動から理念や思いが抜けてしまって形骸化していないだろうか。工場ですれ違うと「ご安全に」と言われることが多々ある。そこで安全を意識できれば大丈夫だが「おはようございます」「お疲れさまです」程度の感覚で使っている場合があるかもしれない


▼情報を発信する仕事をしている以上は形骸化した言葉は使いたくない。年度末にかけて忙しい日々が続くと思う。危険が伴う現場で働く皆さんはどうか「安全第一、能率第二」または「安全第一、営業第二」でご安全に。(埼玉・YM)


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